アイドル短歌まとめ 1905-06
くすぐったそうないつもの笑顔 ああ ときめきが人の形をしてる 小山慶一郎
丁寧に身を整える優しい手 命丸ごと委ねる昼寝 山田涼介
しあわせな箱をこしらえ知らんぷりしているヒョウの尻尾がゆれる 横山裕
眩ませるのは誂えた照明じゃなく生命が発するひかり
コンサート観に行っていっつも最初はまぶしいのはアイドルのエネルギーじゃねか?!という歌です。
夜に泣く君を迎えに来たんだよ規則正しく運ぶ終電 知念侑李
知念くんは泣いてるのを察知してやれやれと結局向かってそうだなという想像をよんだ歌です。
明け方の鏡がこわい そばにいてまで言わないから明日も起きて 伊野尾慧
踏みつけた花はかけがえなくて、でも、忘れたふりして今日も笑った
アイドルという存在であることは、普通の人が何気なく行っていることとかを犠牲にして成り立つことであって、そして何かを犠牲にしているということを悟られてはならない、何とも言えない仕事だよな~といつもありがたく思っています。
15年前とおんなじ色をして、でもみて瞬きかたがちがうの 大倉忠義
光はどんどんつよくなる。
絡まった糸を解く必要はないボビンになって巻かれておいで 加藤シゲアキ
団子になって転がってたらシゲちゃんはブツブツ言いながら解いてくれそう。
夏がくる前にわすれず指切った 鼻を合わせて夜におちてく 丸山隆平
閉じられたまぶたにかかる前髪を撫でたら春の終わりが鳴った
帰りがけ納豆買うこと 帰ったらおかえりの後ただいま言うこと 菊池風磨
僕たちを知る誰もない首都高を駆ける車は君のゆりかご 薮宏太
雑誌で薮くんが「助手席で眠られても気にならない、それだけ安心してくれてるってことだから」的な発言をしているのを呼んでFOOOOOOOOOとなって詠んだ歌です。
眠ってる間の君にだけ言うよ俺がほんとはミュウだってこと 伊野尾慧
これも個人的にとっても気に入ってる一首です。いのちゃんは「うそつき」というと言葉が悪いんですけど、「本当のことを言わない」イメージがあって、核心をはぐらかすというかなんというか、決して悪い意味じゃないんですけど。「俺がほんとはミュウだってこと」って、もちろんそれも「ほんと」なわけなくて、嘘なわけで、起きている間はもちろん、眠っている間にだって本当のことは教えてくれない、つかめそうでつかめないような、そんないのちゃんを表現してみたかったんでした。